第6回目
5〜6歳(1977〜1978年頃)
『初めての映画〜想い出は美しく』
小学校に上がる前、(多分‥)両親に初めて映画館に連れて行って貰って観たのが『アドヴェンチャーファミリー(The Adventures of the Wilderness Family)1975年』
あらすじは
『ぜんそくに苦しむ娘の為に、気候のいい閑静な住宅地を物色しているうちに、何だか衝動的に「いっそ、ロッキーの大自然に囲まれて暮らしたら楽しいぞ!」みたいな決断を下して引っ越す親父のわがままに振り回される家族のお話』
実はこの映画の内容はほとんど覚えていないのだが、後に両親から聞かされた話によると、劇場を後にした僕は、映画の主題歌がよほど気に入ったのか、その音楽を歌いながら興奮気味に「ブーン」と手を広げて飛行機のマネをして走り回っていたらしい(おぼろげには覚えている)。
そんな、何となくボンヤリと記憶の片隅に有った「アドヴェンチャーファミリー」の主題歌だが、ブーンと飛行機のマネをするくらいだから、今聴いても感動するかも?と改めて聴いてみた。
「フムフム、こういう曲だったのね」「キーが4回転調しているなぁ」「大自然の雰囲気を出す為にホルンとギターを使っているんだな」「オーケストレーションが云々‥」
残念ながら、もはや感動とは程遠く、純粋な気持ちでは曲を聴けなくなっていた。
もちろん、映画館を後にして飛行機のマネをしていた5歳の僕は、間違いなくその音楽に感動していたと思うし、初めての映画館での微笑ましいエピソードで有る事には変わりない。
ただ「想い出」にはソッとしておいた方が良い場合も有る、という事なのだろう。