第9回目
13歳(1985年頃)
『エレキギターが仲間を教えてくれた』
子供の頃に三回ほど転校した。
一回目は小学5年生の途中で札幌から旭川。
二回目は小学校卒業と同時に旭川から札幌。
三回目は中学1年の途中で市内の別の学校。
小学2年生から野球をしていたので、一回目と二回目の転校時は少年野球チームや野球部に入り、そこで自然と友達が出来た。
ところが三回目の転校先の野球部には長髪や金髪やリーゼントを決めた先輩が勢揃い。ビビった僕は入部を諦めて帰宅部となり、しばらくは友達も出来ず何となく毎日をやり過ごしていた。
そんなある日、ちょっとヤンチャな感じのクラスメイトが「ラウドネス」というバンドが如何にカッコ良いかを力説しているのが聞こえて「そう言えば‥前の中学校でクラメイトが教えてくれた曲のバンド名と同じだな。確かギターのソロが格好良かったなー」と思い出したのがこの曲。
意を決して「そのバンド知ってるよ。ギタリストの人凄いよね!」と話しかけてみると「えーお前ギターとかやってんの?!皆んなー、コイツねー‥」と話が盛り上がり、さらにヤンチャ系の仲間が何人も集まって来た。
実はその時点ではギター経験はゼロだったが、音楽に興味があったので(正直に言うとモテたかった(笑))お年玉でエレキギターを購入。その後、少しずつギターも上達して行き、ヤンチャな連中とも音楽やギターの話題で友達になれた(皆、見た目に反して気の良い奴らだった‥)。
また、僕は楽譜が読めなかったので仕方なく耳コピ(採音)をしていたら「アイツは楽譜の売ってない曲も弾けるらしい」という噂になり、さらに別のヤンチャ系グループのリーダーからも「やっし(僕のあだ名)、この曲歌いたいんだけどギター弾いてくれない?」と云うお誘いまで受ける様になった。
「知らないバンドの知らない曲だけど頼まれた以上は引き受けよう」という事でコピーしたのがこの曲。
その後、彼とは中学卒業まで一緒にバンド活動をする仲になった。又、この「Boφwy」のギタリスト布袋寅泰さんの幅広い音楽的エッセンスは僕に大きな影響を与えた。
野球を諦めて彷徨い始めていた僕に、エレキギターが「音楽という道」と「共に歩んでくれる仲間」を教えてくれたのかも知れない。